用途
うつ病の診断・評価
診療報酬点数
該当せず
評価者
患者による自己記入式
評価項目
- 抑うつ気分
- 興味または喜びの消失
- 睡眠
- 疲労・気力
- 食欲
- 自己評価
- 集中力
- 行動
- 自殺念慮
概要
■PHQ-9とは
PHQは、Spitzerらによって開発されたプライマリケア医のための短時間で実施可能な精神疾患の評価ツールであるPRIME-MD*(Primary Care Evaluation of Mental Disorders)1より、実施時間短縮を目的として、自己記入式の質問票として開発された2。PHQ-9はPHQの中から、DSM-IVの大うつ病性障害の基準となる9項目から構成されており3、うつ病スクリーニングの自己記入式質問票として、感度および特異度が高い4。PHQ-9の日本語版は、Spitzerらとの再翻訳法によって作成されたPHQ日本語版から、DSM-Ⅳの大うつ病性障害の基準となる9項目が抽出されたPHQ-9日本語版(2018)3やPHQ-9日本語版(重症度評価版2013)5などがある。なお、PHQ-9日本語版(重症度評価版2013)は、DSM-5で推奨されている症状の測定期間(1週間)に対応している。PHQ-9日本語版(2018)においてうつ病の疑いがある場合には、精神疾患簡易構造化面接法(M.I.N.I -Plus)を用いた診断と高い一致率を示したことが報告されている3。
*PRIME-MDは、気分症群、不安症、身体症状症、アルコール依存症といった、プライマリケアの現場でよくみられる精神疾患の評価を行うためのツールである1。構造化面接用に作成されているが、評価者との面談前に患者自らが記入する1ページの質問票が準備されており、評価者が患者の各種症状の有無を把握しやすいように工夫されている。
■評価方法
PHQ-9 を使用して気分症群スクリーニング評価を実施する場合には①問診(「抑うつ気分」と「快感消失」による確認)、②身体疾患および薬物の関与によるうつ状態の鑑別、③PHQ-9によるスクリーニング評価、④症状レベルの評価の4段階のステップを踏む。PHQスコアは、回答を「全くない=0点」、「数日=1点」、「半分以上=2点」、「ほとんど毎日=3点」として総得点を算出する。PHQスコアが0~4点は「なし」、5~9 点は「軽微〜軽度」、10~14点は中等度、15~19点は「中等度〜重度」、20~27点は「重度」の症状レベルと評価する。1つのカットオフポイントのみを選択する場合には、「10点以上」が大うつ病性障害が存在する可能性の閾値と報告されている3。
■評価時間
約3分
連絡先
- 日本語版 2018
新潟青陵大学短期大学部
保健管理センター長・特任教授
村松 公美子先生
〒951-8121 新潟県新潟市中央区水道町1−5939
Tel: 025-266-0127(代表)
E-mail: muramatu@n-seiryo.ac.jp
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