GAF(Global Assessment of Functioning)

用途

全般的な機能を評価
 

診療報酬点数

 GAF尺度による判定が

  • 「精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)及び(Ⅲ)」の算定要件
  • 精神療養病棟入院料の重症者加算の算定要件(重症者加算1で60点、重症者加算2で30点の加算)
     

評価者

面接者による評価(主観的医師報告アウトカム)
 

評価項目

心理的、社会的、職業的機能
 

概要

GAFとは

GAFは、良好な精神状態から病的に重度の精神状態までの範囲をカバーし、患者がどのような状態にあるかを精神症状と社会機能の双方から全般的に評価するものである1,2。精神症状の影響を受けずに個人の社会機能に焦点を当てたSocial and Occupational Functioning Assessment Scale(SOFAS)がGAFから派生して作成された3

2020年4月の診療報酬改定において、「精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)及び(Ⅲ)を算定する場合には、訪問看護記録書、訪問看護報告書及び訪問看護療養明細書に、月の初日の訪問看護時におけるGAF尺度により判定した値を記載する。」が新設された。また、精神療養病棟入院料の重症者加算にもGAFによる評価が用いられており、GAFによる評価が30点以下では重症者加算1(60点)、GAFによる評価が40点以下では重症者加算2(30点)を所定点数に加算することができる。

DSM-5では、評価において精神症状と社会機能が混在するGAFを排して、社会機能をより純粋に評価できるWHO Disability Assessment Schedules 2.0(WHODAS 2.0)が導入された4
 

■評価方法

心理的、社会的、職業的機能を評価するために用いられ、0を情報不十分とし、症状の重症度と機能レベルに応じて1~100のスコアをつける。数値が低いほど健康度が低い。10点毎に区切られており、それぞれ採点に関連する症状や機能を説明するアンカーポイントが提示されている。

最高点(100~91)区間から始めて、評価対象者の症状の重症度または機能的レベルのどちらか悪い方に適合する区間まで下げていく。その区間の10点の範囲のなかで、重症度のレベルを勘案し、下1桁の数値を確定させてGAFの点数とする。


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参考文献

  1. Aas IH, et al. Ann Gen Psychiatry. 2010;9:20.
  2. 髙橋三郎, ほか. DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引. 新訂版. 医学書院. 2003;pp40-44.
  3. Goldman HH, et al. Am J Psychiatry. 1992;149:1148-1156.
  4. 髙橋三郎, ほか. DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル. 医学書院. 2014.