MAS(Manifest Anxiety Scale)

用途

顕在性不安の評価

 

診療報酬点数

80点
 

評価者

患者による自己記入式
 

評価項目

顕在性不安
 

概要

MASとは

MASは、Taylorにより1953年に作成された、50項目から構成される顕在性不安の評価尺度である1。この50項目は、1943年に米国ミネソタ大学病院の心理学者Hathawayと精神科医McKinleyらによって開発されたMinnesota Multiphasic Personality Inventory(MMPI)の550項目から抽出されたものである。なお、MMPIについては335項目からなる最新版のMMPI-3が現在使用されている。MASの日本語版は、Taylorが抽出した不安に関連する50項目に、回答の妥当性を判定するための妥当性尺度15項目を加えた全65項目の構成で、阿部と高石により作成された2。16~60歳の幅広い年齢層で日本標準化が行われている。身体的不安・精神的不安をはじめとする各種不安の総合的な程度が測定可能であり、不安のスクリーニングテストとして用いられる。
 

■評価方法

陽性項目、陰性項目(得点が逆転する項目)、妥当性項目がランダムに配列されており、各質問項目に対して「そう」「ちがう」で回答する。不安に関連する項目の採点方向に回答した場合を1点とし、その合計をMAS得点として算出する。無応答の項目が10個以上の場合、検査結果の信頼性に問題があるとされ、妥当性項目の点数が11点以上の場合、検査結果の妥当性に疑いがあるとされる。
MAS得点が高い被検者は身体的訴えの多さや不幸感・無能感を有するといった特徴があるとされる。また、MAS得点の分布は5段階に分けられ、低得点3段階は正常域とされるほか、男性は19点以上、女性は22点以上で不安傾向があるとされる。
 

■評価時間

実施時間10~15分、整理時間2~5分
 

連絡先


 

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参考文献

  1. Taylor JA. J Abnorm Psychol. 1953;48:285-290.
  2. 阿部満洲, 高石昇. 日本版MMPI顕在性不安検査(MAS)使用手引. 2013, 三京房.