世界メンタルヘルスデー2020—「すべての人のためのメンタルヘルス」を達成するためスティグマと差別に取り組む
世界メンタルヘルスデー2020のテーマは、「すべての人のためのメンタルヘルス:投資の拡大とアクセスの拡大」です。教育や意識向上のためのキャンペーンを通じてスティグマや差別に取り組んでいくことにより、人々が自分のメンタルヘルスについて安心して話し、適切なケアを受けるためにメンタルヘルスサービスを利用出来るようになることを目指します。
スティグマは、世界的でメンタルヘルスの転帰を悪化させる一因となっており1、メンタルヘルス障害の効果的な管理と精神的に満たされた状態の促進を妨げる主要な要因です2。
スティグマは広範な社会的課題である
誤った思い込み
スティグマは一般的に、メンタルヘルス障害のある人、例えば、双極性障害、アルコール・薬物依存症、統合失調症の人は、自分自身にとっても、他人にとっても危険であるという思い込みから生じます3。
しかし、これを裏付けるエビデンスはありません。実際、治療を受けて安定しているメンタルヘルス障害のある人は、一般の人と同様に暴力的ではないことが研究によって裏付けられています4。
さらに、重篤なメンタルヘルス障害のある人は、一般の人の11倍の確率で暴力犯罪の被害者になっています5。
スティグマは何をもたらすか
スティグマはメンタルヘルスサービスへの投資に悪影響を及ぼす
スティグマは差別と社会的排除の主な原因です2。
低所得国および中所得国におけるメンタルヘルス障害のある人々の治療に関するレビューでは、市民的、文化的、経済的、政治的、社会的権利を含む広範な基本的人権が侵害されていることが明らかになりました6。
結果として、スティグマは自尊心や家族関係に悪影響を与え、社会的関係を構築する能力や、住宅や仕事を得る能力を制限し2、メンタルヘルス障害を抱えて生きる人々にさらなる負担をもたらします7。
スティグマはメンタルヘルスサービスへの投資に影響を及ぼす差別にもつながります1,2。
スティグマに取り組み、それを緩和するための介入
個人的な証言を含む広報啓発キャンペーンは特に効果的である6
WHOの欧州メンタルヘルスアクションプラン2は、メンタルヘルスの転帰を改善するための以下の3つの柱からなる戦略です。
- メンタルヘルス障害のある人々の精神的な健康状態を改善し、精神的に満たされた状態にする
- メンタルヘルス障害のある人々の権利を尊重し、最高水準の生活の質を達成するための公平な機会を提供する
- メンタルヘルス障害のある人々の精神的、身体的、社会的ニーズと期待に応え、利用しやすく安全で効果的なサービスを確立する
転帰を改善するその他の介入には以下のものがあります。
- スティグマのせいで、サービスを求めたり、サービスに参加したりすることをためらう人々1がサービスを利用しやすいように、メンタルヘルステクノロジーを活用する
- メンタルヘルス障害のある人々の体験を正しく伝えるための啓発・教育キャンペーンを行う1,6
キャンペーンには、権利擁護団体、政府および公共機関、世界、国および各地方社会のステークホルダーが参加することがあり、特にメンタルヘルス障害のある人々の個人的な証言が含まれると効果的です6。
Our correspondent’s highlights from the symposium are meant as a fair representation of the scientific content presented. The views and opinions expressed on this page do not necessarily reflect those of Lundbeck.