うつ病を治療する
多様なうつ病に対する治療を行う
うつ病は臨床的に不均一な疾患であるため、複数のアプローチによって治療されます1。様々な薬物療法及び心理療法が今日の抗うつ治療の臨床的レパートリーを構成する一方で、多数の代替的な薬剤、活動及び技術も一定の緩和をもたらすとされています2,3。
英国国立医療技術評価機構(NICE)臨床ガイドライン(CG90)
このガイドラインによれば、軽度~中等度の抑うつ症状を呈する患者には、指導型の自助介入、コンピュータによる認知行動療法、構造化された集団身体活動プログラム、あるいはこれらの併用を提供することが推奨されます4。しかし、中等症又は重症うつ病の患者には、薬理学的介入と強力な心理療法の併用を処方することとされています4。
うつ病は臨床的に不均一な疾患であり、そのため、複数のアプローチによって治療されます1
エビデンス
この推奨は、心理療法単独と薬物療法+心理療法併用とを比較した最近のメタ解析によって支持されています。うつ病患者1,800例以上が対象となったランダム化研究19件の解析により、2通りの治療アプローチのうち、併用法が有意に高い有効性を示すことがわかりました(p<0.001)5。
出典:Cuijpers P et al. 2009.5 うつ病に対する心理療法を心理療法+薬物療法併用と比較した標準化平均値差効果量、95%信頼区間。
出典:Cuijpers P et al. 2009.5 うつ病に対する心理療法を心理療法+薬物療法併用と比較した標準化平均値差効果量、95%信頼区間。
薬剤以外の治療
瞑想、運動、ヨガ、光療法、セイヨウオトギリソウなどのいくつかの代替法によって抑うつ症状の緩和が得られることも示唆されています6–8。しかしながら、心理療法と薬物療法が依然として臨床的うつ病治療の主力となっています10。