思春期後期~若年成人では、週末に寝だめをすることで抑うつリスクが低下か
提供元:AJ Advisers LLCヘルスデージャパン
思春期後期~若年成人においては、週末に寝だめ(Weekend catch-up sleep;WCS)をすることで、抑うつリスクが低下する可能性があるとする研究結果が、「Journal of Affective Disorders」2月号に掲載された1。
米SUNYアップステート医科大学のJason T. Carboneと米オレゴン大学のMelynda D. Casementは、米国国民健康栄養調査(NHANES)の2021年から2023年のデータを用いて、睡眠データと抑うつ症状のデータが揃う16〜24歳の1,087人(男子51.49%)を対象に、思春期後期~若年成人におけるWCSと抑うつ症状との関連を検討した。対象者に重み付けを行い、米国の16〜24歳の人口7206万7,230人を代表するデータとした。抑うつ症状は、NHANESの質問に対する回答を基に、「毎日抑うつを感じている」と報告した場合を「抑うつあり」、それ以外の回答を「抑うつなし」とした。WCSは、自己申告された平日と週末の睡眠時間の差とし、WCSなし(0時間以下)とWCSあり(0時間超)に二分した。平日睡眠時間は、16~17歳で8~10時間、18〜24歳で7〜9時間と、「それより短いか長い」で二分した。平日睡眠中央時刻(就寝時刻と起床時刻の中央)は、午前2~4時と、「それより早いか遅い」で二分した。
WCSと抑うつ症状との関連を検討する際には、回帰調整を伴う逆確率重み付け(Inverse Probability Weighting with Regression Adjustment;IPWRA)を使用した。WCSを従属変数、社会人口統計学的特徴を独立変数とする多変量ロジスティック回帰により参加者の傾向スコアを推定した。この推定には、NHANESの調査デザイン(サンプルウェイト、層化、および第一次抽出単位〔primary sampling unit;PSU〕)を取り入れた。推定した傾向スコアに基づき逆確率重み(IPW)を算出し、それをサンプルウェイトに乗じて新たなウェイトを作成した。最終的な回帰モデル(全ての共変量とWCSを含む)に、このNHANESの調査デザインとIPWも組み込んだ。この最終的な分析には、新たなウェイトに加え、NHANESの層化およびPSUの情報も用い、WCSと「毎日の抑うつ症状」の関連を評価した。
全体の5.74%が「抑うつあり」と回答した。WCSありの者(全体の59.15%)は、WCSなしの者と比較して、「抑うつあり」のリスクが41%低かった(調整オッズ比0.59、95%信頼区間0.37-0.93)。また、非ヒスパニック系の黒人は非ヒスパニック系の白人と比較して抑うつリスクが低かった(同0.33、0.13–0.84)。逆に、平日睡眠時間が短いか長い(同2.05、1.10–3.83)、平日睡眠中央時刻が早いか遅い(同2.30、1.26–7.18)、および肥満(同2.12、1.09–4.13)は、抑うつリスクを増加させた。これらの結果はいずれも、標準的な多変量ロジスティック解析の結果でも同様であった*a。
Casementは、「睡眠研究者や臨床医は長い間、思春期の若者には平日・週末を問わず毎日8~10時間の規則的な睡眠を取ることを推奨してきたが、それは多くの若者、あるいは一般の人にとって現実的ではない。ティーンエイジャーが夜型なのは普通のことなので、平日に十分な睡眠が取れない場合には、週末に寝だめをさせるのが良いと考えられる。それが、抑うつ症状に対してある程度は保護的に働く可能性がある」と述べている。(HealthDay News 2026年1月13日)
注釈
*a
WSC:aOR 0.59、95%CI 0.36-0.95
平日の睡眠時間:同2.09、1.18-3.69
平日の就寝のタイミング:同2.16、1.21-3.84
肥満:同2.03、1.07-3.86
非ヒスパニック系の黒人:同0.33、0.14-0.77
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