コラム「笠原 嘉 先生による最終講義」(全7回)

桜クリニック名誉院長/名古屋大学名誉教授の笠原嘉先生は、誰もが知る精神科医でいらっしゃいます。あらためて語られる「小精神療法」、そして70年に及ぶ診療を経て話される「病後の生活史」について、笠原先生の想いの詰まった全7回をぜひともご覧ください。

笠原先生からのメッセージ

今回この企画を依頼され、好機と思い引き受けました。私はひたすら診療室での臨床研究しか致してきませんでした。無芸というか、不器用というか。そして、これを私の最後の「論文」と致したいと思います。最後なので、思いきって「病後の生活史」についての考えをはじめて話しました。5年10年と長く診ていると、病気の自然経過(カタムネーゼ)だけではなく、病人の「病後の生活史」が自ずと見えてきます。神経症のみならず、精神病の人も、それなりの「病後の生活史」を作り上げることを知ります。それを作り上げる、彼や彼女をサポ-トする、そういう視点で小精神療法を致しております。

 

プロフィール

笠原 嘉(かさはら よみし)
桜クリニック名誉院長/名古屋大学名誉教授

1928年神戸生まれ。名古屋大学医学部教授、名古屋大学医学部附属病院院長、社団法人日本精神神経学会理事長など、数々の役職を歴任。1998年より桜クリニックで診療にあたる。

 

〔2022.01.18投稿〕第1回 軽症うつ病治療の中心は、薬物療法をベースとした外来クリニックへ(6:41)

〔2022.01.18投稿〕第2回 「うつ病」をモデルとした外来精神医学の試み(8:12)

〔2022.01.18投稿〕第3回 日本の健康保険制度を意識した「小精神療法」の提唱(9:36)

〔2022.02.15投稿〕第4回 十年診ていると「病後の生活史」と呼ぶべきものが見えてくる(7:58)

〔2022.02.15投稿〕第5回 精神医学と神経学に思索をめぐらすは究極的にはこのあたりに差があるか?(4:52)

本動画では、笠原嘉先生にProgress in Mind Japan Resource CenterのWebコンテンツ用の取材であることを事前にご承諾いただいたうえで、テーマやご意見・ご見解をお話しいただいております。
字幕は、ご発言音声の文字化を目的としており、可能な限りそのまま掲載しています。 本動画の内容は個人的見解を含むものであり、弊社の公式見解を保証するものではありません。