COVID-19罹患3カ月後、約6%に後遺症候群

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者では、罹患3カ月後の時点で約6%の人が疲労感、認知症状、または呼吸器症状といったCOVID後遺症候群(Long COVID symptom clusters)を呈することが、世界各国の報告をまとめたモデル解析により判明した。詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」2022年10月25日号に掲載された1

米ワシントン大学のTheo Vosらは、COVID-19後遺症の世界的な疾病負荷を調べるため、22カ国における2020年3月~2022年1月の症候性COVID-19患者のデータを統合し、ベイジアンメタ回帰分析を実施した。患者のデータは、既存研究44件(入院患者10,501人、非入院患者42,891人)、欧米各国で行われた共同コホート研究10件(同10,526人、1,906人)、米国の電子医療記録データベース2件(同250,928人、846,046人)を統合。計1,162,798人(各研究における平均年齢の範囲4-66歳、男性の比率の範囲26-88%)が解析に含まれた。

主要評価項目は、症候性COVID-19の罹患から3カ月後および12カ月後の時点におけるCOVID後遺症候群を有する比率とした。COVID後遺症候群は、(1)身体的疼痛や気分の変動を伴う持続的な疲労感、(2)認知症状、(3)持続する呼吸器症状について、自己申告で3個中1個以上を有する場合と定義した。解析にあたっては、性別や各研究のランダム効果を変数に含めたベイジアンメタ回帰モデルを入院患者と非入院患者、ICU入室患者、20 歳未満の非入院患者で分けて構築。推定有症率および95%不確実性区間(UI)を算出した。

その結果、COVID-19患者が罹患3カ月後の時点でCOVID後遺症候群(症状3個中1個以上)を有していた比率は 6.2%(95%UI:2.4-13.3%)だった。この比率は、ICU入室患者では43.1%(同22.6-65.2%)、一般病棟への入院患者では27.5%(同12.1-47.8%)と高いことも分かった。患者全体における症状別の有症率は、(1)身体的疼痛や気分の変動を伴う持続的な疲労感が3.2%(同0.6-10.0%)、(2)認知症状が2.2%(同0.3-7.6%)、(3)現存する呼吸器症状が3.7%(同0.9-9.6%)であり、各症状がCOVID-19後遺症の中に占める比率は(1)51.0%(同16.9-92.4%)、(2)35.4%(同9.4-75.1%)、(3)60.4%(同18.9-89.1%)であった。 

罹患3カ月後の時点におけるCOVID-19後遺症候群の有症率は、20歳以上の女性では10.6%(同4.3-22.2%)だったが、20歳以上の男性では5.4%(同2.2-11.7%)だった。20歳未満の男女の患者の有症率は2.8%(同0.9-7.0%)と推定された。COVID後遺症候群の平均持続期間は、入院患者で9.0カ月(同7.0~12.0カ月)、非入院患者で 4.0カ月(同3.6~4.6カ月) だった。罹患3カ月後の時点でCOVID後遺症候群があった人の15.1%(同10.3-21.1%)は、罹患12カ月後の時点でも症状が遷延していると推定された。

著者らは「2020-2021年に症候性COVID-19に罹患し、急性期を乗り越えた生存者では、3カ月後の時点で6.2%の人がCOVID-19後遺症候群を有していたと推定され、そのリスクは女性や入院を要した人で高かった」と結論付けている。(編集協力HealthDay)

Copyright © 2023 Lundbeck Japan. All rights reserved.

参考文献

  1. Global Burden of Disease Long COVID Collaborators, et al. Journal of the American Medical Association. 2022;328(16):1604-1615. doi: 10.1001/jama.2022.18931.