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Progress in Mind
e-メンタルヘルスケアには、ペイシェント・ジャーニー(Patient Journey;患者が辿る一連の道のり)のすべての段階で、メンタルヘルスケアの提供を向上させるような将来性があります。特に、若年者に対する早期治療介入の提供及び医療施設に行くことができない患者へのメンタルヘルスケアに効果的と考えられます。e-メンタルヘルスケアが世界中でもたらす多くの機会に関する興味深い展望が、世界精神医学会議2021(WCP 2021、2021年10月18~21日、バーチャル開催)で専門家らにより示されました。
メンタルヘルスケア提供の場は、病院から自宅へ
次の段階は、モバイル機器を介してメンタルヘルスケアを患者の自宅に提供することである
「過去30年かけて、メンタルヘルスケアの提供は病院から地域施設へと、地域のヘルスケアの概念が変化しました」と、Umberto Volpe教授(アントナ、イタリア)は述べています。
次の段階は、モバイル機器を介してメンタルヘルスケアを病院から患者の自宅で提供することです1。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、このデジタルヘルスケア改革が加速し、多くの専門家がCOVID-19の発生当初に遠隔医療の利用増加を奨励しました。Volpe教授の説明によると、専門家の主張は、COVID-19がデジタルヘルスケアを「加速し、感染増加曲線を抑える(accelerate and bend the curve)」機会をもたらしたというものでした2。Volpe教授は、COVID-19パンデミック中に利用された遠隔医療の枠組みについて強調しました。遠隔医療は、大規模な公衆精神衛生に適応される可能性があります3。
e-メンタルヘルスケアは、世界中で精神科の診療に急激な変化をもたらす
Volpe教授は次のように付け加えました。「精神科医の業務の大半は効率的にオンラインで行うことができ、現在、遠隔医療は精神科医が患者と連絡を取るための標準的な方法となっています。」
「e-メンタルヘルスケアはニューノーマルであり、世界中で精神科の診療に急激な変化をもたらすと考えられますが、急激な変化は多くの場合、診療の普及に不等性をもたらします」4-6。
遠隔医療は今や、精神科医が患者と連絡を取るための標準的な方法になりつつある
Volpe教授の説明によると、欧州では様々なe-メンタルヘルスケア構想が始まっており、標準化及び品質訓練が、欧州だけでなく世界中で進行中です。しかし、東南アジアでは、サービス、社会基盤、行政上の環境、技術支援及び設備をデジタルヘルスケアの環境に適応させる必要があります。
したがって、世界的なデジタル精神科医療の達成には、より大きな国際協力が必要となります。
ヘルスケアの能力及び質の向上
e-メンタルヘルスケアは、早期治療介入戦略に多くの機会をもたらす
「e-メンタルヘルスケアはテレビ会議よりもはるかに多く利用されており、我々のメンタルヘルスケアの提供方法にパラダイムシフトをもたらしつつあります」とRM Krausz教授(バンクーバー、カナダ)は述べています。
Krausz教授は、早期治療介入戦略について、特に若年者に接触すること及び彼らを治療に参加させることの重要性を強調しました。
「『オンライン』は、オンラインゲームやオンラインでのサービス提供に詳しい若年者にとっては好ましいコミュニケーション手段であるため、e-メンタルヘルスケアは、ヘルスケアの能力及び質の向上に多くの機会をもたらします」とKrausz教授は述べています。
仮想診療所は、世界中での精神科医不足解消に役立つ
Krausz教授は、将来の統合されたメンタルヘルスケアの提供について、以下のように述べています5,6。
Krausz教授は、次のメッセージを締めくくりの言葉としました。「e-メンタルヘルスは、ニューノーマルです。これは世界規模での挑戦です。そして、メンタルヘルスの提供にパラダイムシフトをもたらすことになるでしょう」6。
Our correspondent’s highlights from the symposium are meant as a fair representation of the scientific content presented. The views and opinions expressed on this page do not necessarily reflect those of Lundbeck.