統合失調症の認知機能も全般的機能も認知機能リハビリテーションで改善



提供元:AJ Advisers LLCヘルスデージャパン

認知機能リハビリテーション(cognitive remediation;CR)は、統合失調症患者の認知機能と全般的機能の両方を改善することが、「JAMA Psychiatry」2021年8月号に掲載された論文1により明らかになった。

ブレシア大学(イタリア)のAntonio Vitaらは、統合失調症患者に対するCRの有効性を検証するため、統合失調症の治療に対するランダム化比較試験のシステマティックレビューとメタ解析を行った。電子データベース(PubMed、Scopus、PsycINFO)を用いて、2011年1月から2020年2月までに発表された文献を系統的に検索した。これに加え、論文の引用参考文献リストのハンドサーチを行い、Google Scholarも手動検索した。

PRISMAガイドラインに基づき130件(対象者の総計8,851人)の文献を抽出した。これらは、ヨーロッパ(57件)、米国(38件)、アジア(22件)、カナダおよび中東諸国(各4件)、オーストラリア(3件)、ブラジル(2件)で実施されていた。文献のデータのメタ解析にはランダム効果モデルを採用し、治療効果に影響を与える要因(調整因子)を探るため、メタ回帰分析も行った。

その結果、CRは、全般的認知機能(以下、認知)〔Cohenのd=0.29、95%信頼区間(CI)0.24〜0.34、P<0.001〕、および全般的機能(以下、機能)(同0.22、0.16〜0.29、P<0.001)の改善に有効であることが明らかになった。いずれにおいても、文献間の異質性は低かった(認知:I2=24%、機能:I2=37%)。

治療側面から見た調整因子としては、「治療担当者は十分に訓練され、姿勢が積極的」(認知:χ21=4.14、P=0.04、機能:χ21=4.26、P=0.04)、「認知機能改善の手法が構造的に設計されている」(認知:χ21=9.34、P=0.002、機能:χ21=8.12、P=0.04」、これら2つに「認知機能改善の反復練習」と「心理社会的リハビリテーションとの統合」を加えた介入法(認知:χ21=5.66、P=0.02、機能:χ21=12.08、P<0.001)などが有意であった。一方、CRに対する反応が良好である患者が有する調整因子としては、「就学年数が短い」(認知:係数−0.055、95%CI −0.103〜−0.006、P=0.03、機能:同−0.061、−0.112〜−0.011、P=0.02)、「発症前のIQが低い」(機能:同−0.013、−0.025〜−0.001、P=0.04)、および「ベースライン時の症状が重い」(認知:同0.006、0.002〜0.010、P=0.005)が有意であった。

著者らは、「今回の結果は、CRはエビデンスに基づいた介入であることを示すものである。CRを統合失調症治療のための臨床ガイドラインに組み込んで、臨床現場で広く実施すべきだ」と述べている。また、「認知障害に対する薬物療法の効果は限定的であり、臨床的寛解は必ずしも機能的な回復を意味しない。CRを広く実施することは、患者がそれぞれに目標とする回復レベルへの到達を可能にする、画期的な方法となるのではないか」と述べている。

なお、著者の一人は、本研究期間中にNational Institute for Health Researchより助成金を受けていたことを報告しており、また、認知療法用ソフトウェア「CIRCuiTs」の開発者であることを明らかにしている。(HealthDay News 2021年8月27日)

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参考文献
  1. Vita A, et al. JAMA Psychiatry 2021 August 1;78(8):848-858.
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