早産児がNICUから退室してからも父親の抑うつ症状は長引く



提供元:AJ Advisers LLCヘルスデージャパン

新生児集中治療室(NICU)に入室した乳児を持つ親には抑うつ状態に陥るリスクがあり、退室した後になっても、父親の抑うつ症状は、母親ほどには改善しないことが、「Pediatrics」に2021年6月に掲載された報告1で明らかになった。

Ann and Robert H. Lurie Children's Hospital of Chicago(米国)のCraig F. Garfieldらは、NICUに入室している早産児(妊娠37週未満)の両親431人〔母親230人(53%)、父親201人(47%)〕を対象とする前向きコホート研究を実施し、両親の抑うつ症状の経過とそのリスク因子を探った。抑うつ症状は、自己記入式のエジンバラ産後うつ病質問票(Edinburgh Postpartum Depression Scale;EPDS)により、NICU入室時、退室時、退室後14日および30日の4時点で調査し、30点満点中10点以上で陽性(抑うつ症状あり)とした。

早産児の平均妊娠期間は31.5週で、NICU入室期間の中央値は26日(範囲4〜144日)であった。NICU入室直後には、母親の33%(57人)と父親の17%(21人)が抑うつ症状ありと判定された。混合効果線形回帰モデルを用いてEPDSスコアの経時的変化を分析したところ、入室時から退室後30日までに、母親は2.9点〔95%信頼区間(CI)2.1-3.7、P<0.0001〕、父親は1.0点(同0.1-2.0、P=0.04)減少しており、抑うつ症状の改善は両親ともに見られたものの、母親と父親との差の1.9点(同1.3-2.6、P<0.0001)は有意であった。また、「抑うつ症状あり」となる率は、退室後30日を1とすると、入室時は母親で10.96(同2.99-38.20、P=0.0003)だったのに対し、父親は0.99(同0.26-3.79、P=0.9854)であり、父親は母親に比べて抑うつ症状が長引く可能性が示された。

退室後30日に「抑うつ症状あり」と判定する予測性因子についてROC曲線で分析したところ、ベースラインにおける未婚・既婚、学歴、収入、人種などの人口学的因子のみを用いて作成した予測モデルでは、曲線下面積(AUC)が全体で0.66(同0.57₋0.74)、母親で0.71(95%CI 0.58-0.82)、父親で0.61(同0.47-0.76)だった。ところが、入室時のEPDSデータを加えた場合には、全体として0.84(同0.77-0.91、P<0.0001)、母親0.84(同0.74-0.94、P=0.004)、父親0.82(同0.71-0.94、P=0.0035)、また、退室時のEPDSデータを加えた場合には、全体として0.80(同0.73-0.88、P=0.0003)、母親0.80(同0.70-0.91、P=0.0132)、父親0.82(同0.71-0.93、P=0.0165)となり、いずれの場合にも、退室後30日に「抑うつ症状あり」と予測できる精度は有意に向上した。

Garfieldは、「父親と母親とで、これほどの差があるとは予期していなかった。両親の抑うつ症状のスクリーニングを広く行うことが、退室後にも抑うつから抜け出せない親の発見につながるだろう。また、NICUのスタッフに対しては、親たちの悩みや苦しみに気づけるよう、教育・研修を行うべきだろう。特に必要なのは父親のサポートだ」と述べている。(HealthDay News 2021年6月18日)

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参考文献
  1. Garfield CF, et al. Pediatrics June 2021, e2020042747. doi: 10.1542/peds.2020-042747
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