SNS利用頻度とメンタルヘルスへの影響――都民対象の調査



提供元:AJ Advisers LLCヘルスデージャパン

ソーシャルネットワークサービス(SNS)の利用とメンタルヘルスとの関連が報告された。メンタルヘルス状態はLINE利用者で良好であり、一方でTwitter利用者は良くない傾向が見られるという。東京都健康長寿医療センター研究所の桜井良太氏らの研究によるもので、詳細は「PLOS ONE」に2021年3月3日掲載された1

メンタルヘルスの維持には他者との交流が重要とされる一方、近年急速に普及してきたSNSでの交流が、メンタルヘルスの維持に有効であるかについては明らかでない。そこで桜井氏らは、都民を対象としてアンケート調査を行い、SNS利用の実態を把握するとともに、メンタルヘルスとの関連を調査した。

無作為に抽出した都民21,300人にアンケートを郵送し、回答の得られた9,250人(回答率43.3%)から内容が不完全なものを除外し、8,576人を解析対象とした。評価項目は、主観的幸福感(WHO-5スコア)、悩みや抑うつ(K6スコア)、および孤独感(よく感じる~ほとんど感じないの四択)という3項目とした。なお、SNS利用頻度は、閲覧と発信に分けて、「毎日」「週に数回」「月に数回」「使用しない」の4つのカテゴリーに分類し、閲覧もしくは発信が週に数回以上を「頻繁な利用」と定義した。また、解析は年齢により若年(18~39歳の2,543人)、中年(40~64歳の3,048人)、高齢者(65歳以上の2,985人)という3つの層に分けて行った。

最初に、SNSを利用するための機器(スマートフォン、タブレット、パソコン)の所有率を見ると、若年層はほぼ100%、中年層も95%以上であり、高齢者でも62.3%に上った。利用しているSNSは、全世代でLINEが最も多く、Twitter、Instagram、Facebookの順に続いた。

ロジスティック回帰分析にて、結果に影響を与え得る因子(性別、年齢、教育歴、生活環境、併存疾患、主観的健康感、経済状態、外出頻度、対面での対話や電話といったSNS以外の従来型コミュニケーションの頻度など)を調整後、SNSの利用とメンタルヘルスとの間に以下のような関連が認められた。

まず、主観的幸福感については、若年層のInstagramの頻繁な閲覧(B=0.89、95%信頼区間0.43-1.36)、中年層のFacebookの頻繁な発信(B=1.00、同0.15-1.84、p<0.001)が、主観的幸福感の高さと関連していた。また高齢者の場合、LINEの頻繁な発信(B=0.85、同0.41-1.29)および閲覧(B=0.97、同0.51-1.42、p<0.001)が、主観的幸福感の高さと関連していた。

次に、悩みや抑うつについては、若年層のInstagramの頻繁な閲覧(B=-0.88、同-1.30--0.45)、中年層のLINEの頻繁な発信(B=-0.52、同-0.87--0.16)が、悩みや抑うつ傾向が低いことと関連していた(いずれもp<0.001)。しかし一方、Twitterの頻繁な利用は、若年層(発信B=0.83、同0.34-1.32。閲覧B=0.72、同0.33-1.12、p<0.001)と、中年層(発信:B=0.98、同0.15-1.80、p=0.002;閲覧:B=0.75、同0.34-1.17、p<0.001)ともに、うつや不安傾向が強いことと関連していた。高齢者では、SNSの利用と悩みや抑うつ傾向との関連は認められなかった。

最後に、孤独感については、中年層のTwitterの頻繁な発信〔オッズ比(OR)2.22、同1.35-3.65、p=0.002〕と閲覧(OR1.70、同1.28-2.25、p<0.001)は、いずれも孤独感を感じる割合が高いことと関連していた。また高齢者のTwitterの頻繁な発信も、同様の関連が見られた(OR14.3、同4.00-51.2、p<0.001)。若年層では、SNSの利用と孤独感との関連は認められなかった。

本研究の結果について著者らは、「横断的な研究であり、因果関係を示したものではない」としている。その上で、「顔の見えるFacebookやLINE、または、肯定的なイメージのやりとりが主体になることの多いInstagramであれば、メンタルヘルスの維持に役立つ可能性がある。他方、匿名性と自由度の高いTwitterは、その逆の影響が現れる危険性を含んでいる」と考察し、「バランスのとれたSNS利用が必要と言える」と結論付けている。(HealthDay News 2021年3月22日)

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参考文献
  1. Ryota Sakurai, et al. PLOS ONE. Published online March 3, 2021. doi: 10.1371/journal.pone.0246090.
  2. Holt-Lunstad J, et al. PLoS medicine. 2010;7(7):e1000316. Epub 2010/07/30. pmid:20668659.
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