COVID-19流行に伴い自宅待機する小学生の5人中1人以上に認められた抑うつ症状

中国の湖北省で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行に伴う外出禁止令を受けて自宅で過ごす小学生の22.6%に抑うつ症状が認められたとする研究結果が、「JAMA Pediatrics」2020年4月24日オンライン版1に発表された。

COVID-19の発生源となった武漢市では、2020年1月23日から4月8日まで、また武漢市から85km離れた黄石市では2020年1月24日から3月23日まで、学校の生徒たちは自宅待機を余儀なくされた。今回、華中科技大学(中国)のXinyan Xieらは、武漢および黄石市の小学校2校の生徒2,330人(2〜6年生、武漢市845人、黄石市1,485人)を対象に、2月28日〜3月5日にかけてオンライン調査を実施。性別や学年、COVID-19流行の捉え方(感染が心配か、流行を楽観視しているか)を調べるとともに、Children’s Depression Inventory–Short Form(CDI-S)により抑うつ症状を、Screen for Child Anxiety Related Emotional Disordersにより不安の症状を評価した。

2,330人のうち1,784人(76.6%)が有効回答を寄せた。このうち56.7%(1,012人)は男子で、62.2%(1,109人)が黄石市在住だった。これら1,784人の自宅待機の日数は平均33.7日で、抑うつ症状を有していた者は22.6%(403人)、不安症状を有していた者は18.9%(337人)だった。武漢市の者は黄石市の者に比べ、一般化線形回帰分析で得られたCDI-Sスコアが有意に高く〔標準偏回帰係数(β)0.092、95%信頼区間(CI)0.014〜0.170〕、ロジスティック回帰分析でも抑うつ症状を有するリスクは高かった〔オッズ比(OR)1.426、95%CI 1.138〜1.786〕。

次に、COVID-19に罹ることが「大いに心配」、「中程度に心配」、「少し心配~全く心配していない」、流行についての捉え方を「大いに楽観的」、「中程度に楽観的」、「楽観的でない」のいずれも3段階に分けたところ、「少し心配~全く心配していない」者では、「大いに心配している」者に比べ、CDI-Sスコアが有意に低く(β −0.184、95%CI −0.273〜−0.095)、抑うつ症状のリスクは低かった(OR 0.521、95%CI 0.400〜0.679)。また、「楽観的でない」者では、「大いに楽観的」な者に比べ、CDI-Sスコアが有意に高く(β 0.367、95%CI 0.250〜0.485)、抑うつ症状のリスクが高かった(OR 2.262、95%CI 1.642〜3.117)。なお、不安症状と性別・居住市・学年などの背景因子との間には有意な関連は認められなかった。

研究チームは、「屋外での活動などを制限されたことが、生徒が抑うつ症状を呈したことと関係している可能性はある。2003年に流行したSARSも生徒の精神症状を悪化させたが2、深刻な感染症は、精神外傷をもたらす体験と同じような形で、小児のメンタルヘルスに悪影響を与えるのではないか」と結論付けている。(HealthDay News 2020年4月24日)

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参考文献
  1. Xie X, et al. JAMA Pediatrics. Published online April 24, 2020. doi: 10.1001/jamapediatrics.2020.1619
  2. Main A., et al. J Couns Psychol.2011; 58(3):410-423. doi:10.1037/ a0023632
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