COVID-19ステイホームによる生活習慣や精神状態の悪化、肥満者で顕著

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症のパンデミックに対処するためのステイホームによって、座っている時間が増えたり、身体活動の時間が減ったりといった生活習慣の変化がみられ、不安が増すなどメンタルヘルスも悪化し、さらにこうした変化は特に肥満者で顕著であるという研究結果が、米ペニントン生物医学研究センターのEmily W. Flanaganらにより報告された。詳細は「Obesity」に2020年10月11日掲載された1

研究チームは、COVID-19パンデミック対策としてのステイホームが生活習慣や精神状態に及ぼした影響について調査するため、2020年4月3日から5月3日にかけてオンライン調査を実施した。参加者はSNS広告などで募集し、居住国・年齢・性別、パンデミック開始前後の身長や体重、食習慣、座位で過ごす時間、身体活動の時間、精神状態などについて、既存の質問票も一部利用して回答させた。データの性質に応じて対応のあるt検定またはχ2検定によりパンデミック開始前後の比較を行い、またBMIの値で層別化して解析するために線形混合効果モデルから最小二乗平均を用いてスコアを比較した。

その結果、解析対象となったのは18歳以上の成人7,753人(女性80.0%、白人89.6%、二人世帯者42.2%、平均年齢51.2歳)で、米・英・豪・加の4カ国で95.2%を占めた。BMIは平均28.6±0.09kg/m2で、正常32.2%、過体重32.1%、肥満34.0%であった。

パンデミック前と比較して、ステイホーム期間中、全体としては外食や調理済み食品の利用が週1.98回から1.08回へと減少し、自炊は週4.49日から5.18日へと増加していた(各P<0.001)。健康的な食生活の指標である簡易版Rapid Eating Assessment(REAP-s)のスコアも0.81増加した(P<0.001)。テレビの視聴などで座って過ごす余暇の時間は、休日で16.83±0.84分/日、平日で21.25±0.90分/日増加していた。一方、身体活動は時間としては18.32±4.63分/週、運動強度を考慮したものとしては111.88±22.07MET(代謝当量)分/週、それぞれ減少した(各P<0.001)。不安尺度であるGeneralized anxiety scale(GAD-7)のスコアは10.1±0.8から18.8±0.2へとほぼ倍増し、その増加量は8.78±0.21であった(P<0.001)。

BMIの値で層別化して解析した結果、ステイホームによる影響の程度は肥満度により異なっていた。肥満群ではパンデミック前の食習慣が健康でない傾向が強かったためか、ステイホーム期間中の食習慣の改善度は最も大きかった(REAP-sスコアの増加量は正常群0.67±0.08、過体重群0.83±0.08に対し肥満群1.13±0.08、各P<0.001)。一方、肥満群ではパンデミック前の身体活動量が正常群や過体重群より少なかったにもかかわらず、ステイホーム期間中の身体活動量の変化量に正常群や過体重群と差はなかった(各P>0.05)。

肥満者では、パンデミック前から不安が高く(GAD-7スコアは正常群8.99±0.32、過体重群8.14±0.32に対し肥満群10.43±0.31、各P<0.001)、ステイホーム期間中にはさらに増大していた(同スコアの増加量は正常群7.88±0.40、過体重群8.14±0.40に対し肥満群9.52±0.38、各P<0.001)。GAD-7の回答から「仕事や家事に支障をきたすほどの不安症状を呈している」と考えられる人の割合は、パンデミック前には肥満度で差はなかったが、ステイホーム期間中には肥満者で24%と、正常群(17%)や過体重群(17%)より多くなっていた(P<0.001)。

ステイホーム期間中に体重が増えたと回答した人は、正常群の24.7%や過体重群の20.5%に対し、肥満群で33.4%と有意に多かった(各P<0.001)。また、体重が増えた人は食習慣の変化はほぼなかった(REAP-sスコアの変化量は0.00±0.08)ものの、身体活動量の低下量は体重が減った人や不変の人より大きかったことが特徴であった。

著者らは、「COVID-19パンデミック下では、不安スコアが約2倍になり、約2割が日常生活に支障をきたすほどの不安症状を呈していた。不安はエネルギー摂取や食事選好と密接に関連するため、特に肥満者では今後ますます体重が増える恐れがある。体重の増えた人や精神状態の悪化した人が増えたという面から見ても、COVID-19の影響は今後何年にもわたり臨床現場に負担をもたらすだろう」と述べている。(HealthDay News 2020年10月29日)

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参考文献
  1. Flanagan EW, et al. Obesity. Published online October 11, 2020. doi: 10.1002/oby.23066
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