COVID-19による入院患者の死亡率上昇に入院前の精神疾患診断歴が関与

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院した患者では、精神疾患の診断歴があると、入院死亡リスクが上昇する可能性のあることが、「JAMA Network Open」2020年9月30日オンライン版1に掲載された論文で明らかにされた。

米イェール大学医学部精神医学分野のLuming Liらは、米国北東部の5つの病院で構成されるYale New Haven Health Systemにより、COVID-19で入院した患者における精神疾患の診断歴と入院死亡率との関連を調べるコホート研究を実施した。データは大手電子カルテ企業であるEpic Systems社から入手し、これには2020年2月15日~4月25日の間に入院し、かつ新型コロナウイルス陽性だった患者全員のデータが含まれていた。追跡調査は2020年5月27日まで行った。

この期間中に、総計1,685人〔平均年齢65.2±18.4歳、男性887人(52.6%)〕がCOVID-19により入院した。うち473人(28%)が、入院前に精神疾患の診断を受けていた。精神疾患の診断歴を持つ患者では、高齢者、女性、白人、非ヒスパニック系、併存疾患(がん、脳血管疾患、うっ血性心不全、糖尿病、腎疾患、肝疾患、心筋梗塞、HIV)を有する者が多く含まれていた(単変量Cox比例Hazard回帰)。

死亡したのは318人(18.9%)であった。精神疾患診断歴ありの患者・なしの患者それぞれの生存率をKaplan-Meier曲線で表し、Log-rank検定により比較したところ、精神疾患診断歴ありの患者は、なしの患者に比べ、入院死亡率が有意に高かった(2週間での死亡率:35.7%対14.7%、3週間での死亡率:40.9%対22.2%、いずれもP<0.001)。

次に、諸因子の調整なしの単変量Cox回帰分析により、精神疾患診断歴ありの患者となしの患者の入院死亡率を比較したところ、ありの患者では、死亡率が有意に高かった(ハザード比2.3、95%信頼区間1.8~2.9、P<0.001)。さらに、治療前のリスク因子(性別、人種/民族、併存疾患、病院の立地など)で調整した多変量Cox回帰分析を行ったところ、精神疾患診断歴ありの患者の死亡率は依然として有意に高かった(同1.5、1.1〜1.9、P=0.003)。

著者らは、「本報告ではデータや情報が限られており、精神疾患の診断歴がある患者でCOVID-19による入院死亡率が高くなったのかについて、明確な理由は明らかにはなっていない。精神症状と全身性の炎症病態との関連や、免疫機構をかく乱する可能性、治療との関連性などの検討が求められる、としている。(HealthDay News 2020年9月30日)

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参考文献
  1. Li L, et al. JAMA Network Open. Published online September 30, 2020.
    doi: 10.1001/jamanetworkopen.2020.23282
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