非専門家が提供する電話介入により、中高年の孤独感や抑うつが緩和



提供元:AJ Advisers LLCヘルスデージャパン

一般の、非専門家が行う電話介入により、リスクのある成人の孤独感、抑うつ、不安が軽減され得るという研究結果を、米テキサス大学オースティン校のManinder K. Kahlonらが、「JAMA Psychiatry」に2021年2月23日発表した1

目下、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、孤独感などの精神的な健康問題がクローズアップされている。Kahlonらは、このようなメンタルヘルスの問題を抱えるリスクが高いと思われる中高年者に対して、共感に重きを置いた電話相談プログラムを非専門家が行った場合の有効性を検討した。対象者は、2020年7月6日から9月24日の間にMeals on Wheels Central Texas(MOWCTX)の顧客から募集した27~101歳までの240人で、56%(135/240人)が一人暮らし、79%が女性(190/240人)で、全員が慢性疾患を1つ以上抱えていた。電話をかけたのは、17〜23歳の16人(大学学部生14人、コミュニティカレッジ入学予定者1人、大学院生1人)で、共感的な会話技術に関する短時間の訓練を受けていた。対象者は、4週間にわたり電話介入を受ける群(介入群)と受けない群(対照群)に1対1の割合でランダムに割り付けられた。電話介入は、最初の5日間は毎日、その後は週に2回以上を条件に対象者が希望する頻度で行った。

主要評価項目は孤独感〔3-item UCLA Loneliness Scaleおよび6-item De Jong Giervald Loneliness(De Jong)Scaleで評価〕、副次評価項目は抑うつ〔Personal Health Questionnaire for Depression(PHQ-8)で評価〕、不安〔Generalized Anxiety Disorder scale(GAD-7)で評価〕、社会とのつながり〔6-item Lubben Social Network Scale(LSNS)で評価〕、および主観的健康度〔Short Form Health Survey Questionnaire(SF-12)で評価〕とした。統計解析は、Intention-to-treatにて、線形混合効果モデルまたは混合効果ロジスティック回帰を用いた。

対象者の平均年齢は対照群68.7±12.8歳(平均±SD)、介入群69.4±11.5歳であり、介入期間中に介入群から13人、対照群から1人が脱落した。孤独感について介入の前後を比較したところ、UCLAの平均スコアは、対照群では6.5から6.3に改善したが、介入群では6.5から5.2まで改善した〔介入後群間差1.1、95%信頼区間(CI)0.50-1.7、Cohen’s d 0.48、P<0.001〕。De Jongの平均スコアは、対照群では2.5のまま変化はなかったが、介入群で2.4から2.2へ改善した(同0.32、−0.20-0.81、Cohen’s d 0.17、P=0.06)。

抑うつについては、PHQ-8の平均スコアが対照群では6.2から6.3へと悪化していたのに対し、介入群では6.3から4.8に改善した(同1.5、0.22-2.7、Cohenのd 0.31、P<0.001)。不安についても、GAD-7の平均スコアが対照群では5.8から6.0へと悪化したのに、介入群では5.9から4.1へと改善した(同1.8、0.44-3.2、Cohen’s d 0.35、P<0.001)。

さらに、主観的健康度については、SF-12の精神的健康度の平均スコアが対照群では44.3から44.5、介入群では42.5から45.1へと改善した(同2.6、0.81-4.4、Cohen’s d 0.46、P=0.003)。しかし、SF-12の身体的健康度の平均スコアと、社会的つながりに関わるLSNSの平均スコアには、介入群でも有意な改善は認められなかった。

著者らは、「専門家ではない人が行う、共感に重きをおいた4週間の電話相談プログラムにより、メンタル不調を抱える可能性がある方の孤独感や抑うつ、不安が改善した。今後の研究で、この手法の、抑うつや不安を改善する効果が、どこまで大きな臨床的な意義を有するかを見極めたい」と結論付けている。

なお、数名の著者が、Episcopal Health Foundationとの利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2021年3月2日)

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参考文献
  1. Kahlon MK, et al. JAMA Psychiatry. Published online February 23, 2021. doi: 10.1001/jamapsychiatry.2021.0113
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