英国ではロックダウン中に小児の抑うつ症状が大幅に増大



提供元:AJ Advisers LLCヘルスデージャパン

英国では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックによるロックダウン中に、小児の抑うつ症状が大幅に増大したという調査結果が、「Archives of Disease in Childhood」1に2020年12月9日掲載された。

英ケンブリッジ大学のGiacomo Bignardiらは、イングランド東部に居住する小児を対象に実施されているResilience in Education and Development (RED) studyのデータセットを用いて、英国でのロックダウン前とロックダウン中の小児のメンタルヘルスの変化について、縦断的な調査を実施した。対象者は7.6〜11.6歳の小児168人(男児80人、女児88人)で、調査はイギリスのロックダウン前(2018年6月〜2019年9月)とロックダウン中(2020年4〜6月)に行われた。メンタルヘルスの評価には、Strengths and Difficulties Questionnaire(SDQ)の中の情緒の問題に関するサブスケールおよびRevised Child Anxiety and Depression Scale(RCADS)の中の抑うつと不安の症状に関するサブスケールを用いた。保護者または教師にこれらについて回答してもらい、また対象の小児はロックダウン前にRCADSに自ら回答した。得られたスコアは標準化し、線形混合モデルを使って諸因子を調整して、ロックダウン前とロックダウン中のメンタルヘルスの状態を比較した。

その結果、ロックダウン前と比べてロックダウン中に、RCADSでの抑うつスコアが平均で0.74点〔95%信頼区間(CI)0.46-1.01〕有意に増加し(P<0.001、混合線形モデル)、かつ95%CIから、効果量は中〜大であることが示された。年齢や性別、社会経済的状態など、影響を及ぼしうる因子を調整しても同様に、ロックダウン中の抑うつ症状の増大は有意という結果が得られた。

その一方で、RCADSの不安のサブスケールやSDQの感情的な問題に関するサブスケールのスコアには、有意な変化は認められなかった〔RCADS:偏回帰係数(B)−0.06、95%CI −0.34-0.23、SDQ:B −0.25、95%CI −0.54-0.05〕。

著者らは、「今回の研究により、英国ではロックダウン中に小児の抑うつ症状が有意に増大し、かつその増大の幅は中から大と考えられた。この結果から、パンデミックへの対処やその終息への道筋を考えるに際し、ロックダウンが小児のメンタルヘルスに及ぼす影響を考慮する必要性が浮き彫りになった」と述べている。(HealthDay News 2020年12月9日)

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参考文献
  1. Bignardi G, et al. Archives of Disease in Childhood. Published online December 9, 2020. doi: 10.1136/archdischild-2020-320372
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