統合失調症患者ではCOVID-19のワクチン接種率が低い



提供元:AJ Advisers LLCヘルスデージャパン

統合失調症患者は、年齢および性別をマッチさせた対照と比べて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの接種を受けない率が高いことが、ワクチン接種率の高いイスラエルで実施された研究から明らかになった。アリエル大学(イスラエル)のDana Tzur Bitanらによるこの研究結果は、短報(Letters to the Editor)として「World Psychiatry」に2021年5月18日掲載された1

Bitanらは最近の研究で、統合失調症患者では、年齢および性別をマッチさせた対照と比べて、COVID-19の罹患リスクと死亡リスクの双方が高いことを報告している2。このときに対象としたコホートを、ワクチンに関するデータをアップデートした上で今回の研究でも用い、統合失調症患者におけるCOVID-19のワクチン接種率について調べた。

元々のコホートに含まれていた統合失調症患者から死亡例を差し引いた25,120人と、これらの患者と年齢および性別をマッチさせた同数の対照を、研究対象とした。対象者のデータは、イスラエル最大の医療機関であるClalit Health Services(CHS)のデータベースより得た。COVID-19のワクチン接種状況については、1回以上の接種を「接種済み」とみなした。

単変量ロジスティック回帰分析により、ワクチンを接種するオッズは、統合失調症患者群で、対照群に比べて有意に低いことが明らかになった〔オッズ比(OR)0.80、95%信頼区間(CI)0.77-0.83、P<0.0001〕。年齢層別のサブグループ解析では、16〜21歳では両群で有意差は認められなかったが、それ以上の年齢層では、年齢が上がるにつれて両群間の差が大きくなった(21〜40歳未満:同0.90、0.83-0.97、40〜60歳未満:同0.83、0.79-0.88、60歳以上:同0.61、0.57-0.64、いずれもP<0.0001)。また、統合失調症患者群では、男女双方でワクチン接種のオッズは対照群よりも低かったが、男性の方が対照群との開きが大きかった(男性:同0.79、0.75-0.82、女性:同0.82、0.77-0.87、いずれもP<0.0001)。

著者らは、「この研究から、イスラエルでは、統合失調症患者のCOVID-19ワクチンの接種率は、統合失調症ではない人と比べると低いと考えられた。この結果は、ワクチン接種などの新型コロナウイルス感染予防策をもっと簡単に受けられるようにすることなどを通じて、統合失調症患者に対する治療・支援を強化すべきことを、公衆衛生施策担当部門に強く促すものである」と結論付けている。(HealthDay News 2021年5月26日)

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参考文献
  1. Bitan DT, et al. World Psychiatry. Published online May 18, 2021. doi: 10.1002/wps.20874
  2. Bitan DT, et al. Schizophrenia Bulletin. Published online February 19, 2021. doi: 10.1093/schbul/sbab012
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