治療とアウトカムの評価には連携が重要

EPA2021バーチャル会議(The 29th European Congress of Psychiatry、2021年4月10日~13日、バーチャル開催)のオープニングフォーラムにおいて、メンタルヘルスケアの全体的な質の向上には、患者が報告するアウトカム(PRO:Patient-reported outcomes)および経験に関する国際標準尺度が必要であることが述べられました。これは生活の質および機能回復により焦点が当たっていることを反映しているものです。

現在、メンタルヘルスケアにおける治療の成功や失敗に関するPROのデータを日常的に収集しているのは、経済協力開発機構(OECD)に加盟している少数の国のみであることが1、Katherine de Bienassis(OECD、パリ、フランス)により報告されました。

このような取組みを促進し、各国で連携していくことは、国内および国際比較のための有意義な指標を作成するのに重要であるとBienassisは考えています2

治療の質を向上するには患者と介護者の声が重要

 

医療従事者、患者および介護者間の連携

  • 個々の患者が治療決定に深く関われば関わるほど治療アドヒアランスは向上し、治療アウトカムも改善すると、Raluca Nica(GAMIAN[Global Alliance of Mental Illness Advocacy Networks] Europe副理事長)は述べました。患者側の視点から、一次医療と二次医療の連携、メンタルヘルスと社会的ケアの一体化、疾患に対する対処と一生涯にわたる継続的なケアが必要であることにNicaは注目しています。
  • 患者をよく知り、治療を受けることや治療を継続することを促す家族の協力が必要であることを、EUFAMI(European Federation of Associations of Families of People with Mental Illness)の新理事長であるUrs Würschは強調しました。EUFAMIは欧州23ヵ国において、メンタルヘルスの問題を抱える患者の家族2,500万世帯を代表する団体です3,4
  • Stecy Yghemonos(Eurocarersネットワークの常任理事)は、日常の介護者も治療決定に関わる必要があることを強調しました。こうした対話では介護者は見過ごされがちですが、慢性的な身体的およびメンタルヘルスの問題を抱える人々を主にサポートするのは介護者であり、上述のとおり治療継続を促進する立場にあり、また介護者自身もメンタルヘルスの問題を抱えやすい状態にあります。これらすべての理由から、介護者と医療従事者の関わりを強化すべきであると、Yghemonosは呼びかけました。

 

「改善」の判断は医師ではなく、患者が決めるべきである

 

European Year for Mental Healthとは?

Philip Gorwood(EPA委員長)は、医師からの処方は患者の改善を手助けするためのものであり、「改善した」かの判断は医師がするのではなく、患者自身が判断すべきであることを支持していました。

治療に関する説明を受けた上で患者が選択することを促進する重要性から、GorwoodはEPAフォーラムにより現在行われている、治療の決定方法に関する調査への協力者になってもらうよう、参加した精神科医に呼びかけました。

会議の初めには、John Ryan(欧州委員会、ルクセンブルグ)から、最善の治療を広めるためのEUの取組みが説明されました。最善の治療を行うには、患者中心のコミュニティサービスによる健康障害の予防、自殺率の低減、うつ病管理に対する段階的アプローチが含まれます。

Ryanは、普遍性、公平性および連帯性の原則がメンタルヘルスケアの基礎にあるべきだと主張しました。しかしながら、残念なことに、COVID-19(新型コロナウイルス)のパンデミックにより、これらすべての活動が出来ませんでした。

既存のメンタルヘルスの障害に対する治療が一時的に中断され、新たな問題が発生している

医療サービスの利用格差が増幅しており、すでにメンタルヘルスの問題を抱えていた患者は治療の中断を余儀なくされることもあります。そうした状況に加え、社会的孤立によっても不安やうつ病の増加が加速しています。

メンタルヘルスサービスの必要性、疾患からの回復促進や予防策が、これほど重要視されたことはありませんでした。こうした積極的な手段で推奨されているものの1つが、European Year for Mental Health(欧州メンタルヘルスイヤー)5の制定です。

 

Our correspondent’s highlights from the symposium are meant as a fair representation of the scientific content presented. The views and opinions expressed on this page do not necessarily reflect those of Lundbeck.

参考文献
  1. de Bienassis K et al. Int J Qual Health Care 2021 Feb 20;33(1):mzab002. doi: 10.1093/intqhc/mzab002
  2. de Bienassis K et al. Int J Qual Health Care 2021 Mar 6;33(1):mzab020. doi: 10.1093/intqhc/mzab020
  3. http://www.eufami.org/c4c/about.html (2021年7月30日閲覧)
  4. https://www.oecd-ilibrary.org/docserver/health_glance_eur-2018-4-en.pdf?expires=1625054728&id=id&accname=guest&checksum=85FD62E01271071000463D7856DC002B (2021年7月30日閲覧)
  5. https://www.europarl.europa.eu/doceo/document/E-9-2021-000425_EN.html(2021年7月30日閲覧)
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