気温がメンタルヘルスに与える影響

暑い日には、メンタルヘルスが悪化した人の割合が増える一方で、涼しい日にはその割合は減少するという研究結果を、ジョージア大学(ギリシャ)のMengyao Liらが、「PLOS ONE」3月25日オンライン版1に発表した。

Liらは、1993~2010年に実施された電話による自己報告式調査Behavioral Risk Factor Surveillance System(BRFSS)から、300万人以上の米国人のメンタルヘルスに関するデータを用いて、気温の変動がメンタルヘルスに及ぼす影響について調べた。

たいていの人が快適と感じる華氏60~70度(摂氏15.5~21度)を基準としてロジスティック回帰分析を行った結果、過去1カ月の気温がそれより低いと、メンタルヘルスの悪化を報告する率が低下し、逆にそれより高い場合は、メンタルヘルスの悪化を報告する率が増加していた。具体的には、平均気温が華氏20度(摂氏-6.7度)を下回る日が1日増えるごとに、メンタルヘルス悪化の報告率は0.8%減少した(P<0.01)のに対し、華氏80度(摂氏26度)を超える日が1日増えるごとに、報告率は0.3%増加していた(P<0.05)。

また、華氏20度を下回る気温の日があると、その影響がメンタルヘルスに直ちに及んだ(6.8%減少、P<0.05)のに対し、華氏80度を上回る日は7日間続いても有意な変化は現れず(P>0.1)、14日続いて0.5%の増加(P<0.1)となったことから、こうした暑い日が約10日は続かないと、影響が顕著に現れないことも明らかになった。さらに、過去1カ月の間に暑い日を1日避けるための額を支払意志額を使って推算したところ、1日当たり2.6ドルから4.6ドル(約278円から492円;2020年5月12日現在1ドル=107円換算)まで変動した。

Liらは「メンタルヘルスの促進は、2030年までに達成されるべき国連の持続可能な開発目標の目標3(全ての人に健康と福祉を)に初めて組み込まれた。地球温暖化が急速に進む中、気温の上昇がこの目標達成を阻む要因となり得る。われわれの研究は、気温がメンタルヘルスに及ぼす影響を定量化することで、その影響の大きさを正確に測ろうとしたものだ」と結論づけている。(HealthDay News 2020年3月27日)

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参考文献
  1. Li M, et al. PLOS ONE. Published online March 25, 2020. 
    doi: 10.1371/journal.pone.0230316 (2020年5月12日閲覧)
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