救急医のストレスや不安がCOVID-19流行拡大期に増加

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの拡大局面においては、大学病院の救急医が抱える、職場と家庭に関係するストレスと不安が増大していたとする研究報告が、「Academic Emergency Medicine」6月22日オンライン版1に掲載された。

米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)医学部のRobert M. Rodriguezらは、2020年2月23日~4月10日(流行の拡大期・プラトー期・終息期のうちの拡大期)に、UCSFを含む7カ所の大学病院の救急外来に勤務する救急医(指導医、フェロー、レジデント)に対して、電子メールによる横断的調査を実施した。主な質問内容は、以下の通りであった。

  • 対応した患者の中でCOVID-19が疑われた例数や、それらの例に対してCOVID-19診断検査を行った割合
  • 職場で感じるストレスの程度
  • 職場での具体的な不安として、自分自身のCOVID-19への感染や、流行に対する職場の備えの程度など
  • 家庭で感じるストレスの程度
  • 家庭での具体的な不安として、自分から家族への感染、食料などの入手が困難になる恐れなど
  • 自分が感染している恐れ故の、家族・友人に対する自分の態度の変化、および家族・友人の自分に対する態度の変化
  • 仕事による疲労や感情の消耗感(流行の前および後)
  • COVID-19由来のストレスを軽減する手段として有効と思うものを11個のリストから上位5つを選ぶ

一部の質問項目は、回答率を上げるべく、検証済みのストレスおよびバーンアウトスケールから採択し、また、ストレスや不安などの程度は、1〜7段階(1=全く、4=幾分か、7=大いに)で評価した。調査データを基に、生の数値、頻度の割合、中央値、四分位範囲(IQR)を算出した。

調査協力を依頼した751人の救急医のうち、回答したのは426人(56.7%、年齢中央値35歳)であった。ストレスの程度は、職場も家庭も中央値が5(IQR 4〜6)であった。疲労や感情の消耗感のレベルは、パンデミック前には中央値で3(同2〜4)だったのに対し、パンデミック後は中央値で4(同3〜6、割合の差1.8、95%CI 1.7〜1.9)に上昇していた。また、90.8%は、家族や友人への態度を変えた、と回答した。態度の変化として最も多かったのは、ハグやキスといった愛情表現の減少であった(76.8%)。一方、ストレス軽減手段として挙げられたのは、多かった順に、個人防護具(PPE)をもっと利用できるようにすること(410人、96.2%)、6時間未満での検査結果の判明(392人、92.0%)、自らの裁量で検査ができること(351人、82.4%)、COVID-19関係のプロトコルを変更した場合にわかりやすく伝えてほしい(313人、73.5%)、家族と自己のケアのための休暇取得の保証(306人、71.8%)であった。

著者らは、「今回の研究で得られた知見に直感的な側面があることは否めない。しかし、新型コロナウイルスがパンデミックを起こしている現下の状況で、救急医が抱えるメンタルヘルス上の問題への対応策を立案・実施するためには、今回の結果が、重要かつこれまでになかった叩き台となるものと思われる」と結論付けている。(HealthDay News 2020年7月23日)

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参考文献
  1. Rodriguez RM, et al. Academic Emergency Medicine. Published online June 22, 2020. doi: 10.1111/acem.14065
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