成人の統合失調症患者の自殺リスクは一般集団よりも有意に高い



提供元:AJ Advisers LLCヘルスデージャパン

米国では、統合失調症患者の自殺リスクは一般集団よりも有意に高く、特に18〜34歳の自殺リスクは一般集団の約10倍であることが、「JAMA Psychiatry」に2021年5月26日掲載された論文1で明らかにされた。

米コロンビア大学のMark Olfsonらは、2007年1月1日から2016年12月31日の間の、出来高払い制(Fee for Service)またはパートDの処方箋薬剤給付保険(Part D Prescription Drug Coverage)のメディケア受益者の中から統合失調症患者を抽出。生涯というライフスパンで見た自殺率と標準化死亡率(SMR)を米国の一般集団と比較した。

対象者は、5つの年齢層(18〜34歳、35〜44歳、45〜54歳、55〜64歳、65歳以上)、性別、人種/民族で分類し、対象者の死亡記録については、National Death Indexで確認した。対象者は合計668,836人(男性52.5%)で、2997,308人年に及ぶ追跡期間中に2,218件の自殺が生じていた。

対象者全体の10万人年当たりの自殺率は74.00であり、米国の一般集団よりも4.5倍高かった〔SMR 4.54、95%信頼区間(CI)4.35-4.73〕。男女別での10万人年当たりの自殺率は、男性88.96、女性56.33であり、一般集団よりも男性で3.4倍(同3.39、3.22-3.57)、女性で8.2倍(同8.16、7.60-8.75)高かった。Cox比例ハザードモデルによる解析の結果、男性〔調整ハザード比(aHR)1.44、95%CI 1.29-1.61〕、抑うつのある人(同1.32、1.17-1.50)、不安のある人(同1.15、1.02-1.30)、薬物使用者(同1.55、1.36-1.76)、睡眠障害のある人(同1.22、1.07-1.39)、自殺念慮のある人(同1.41、1.22-1.63)、自殺未遂歴または自傷行為歴のある人(同2.48、2.06-2.98)で自殺リスクが有意に上昇していた。白人での自殺のaHRを1とした場合の自殺リスクは、ヒスパニック系(aHR 0.66、95%CI 0.54-0.80)と黒人(同0.29、0.24-0.35)で低かった。

10万人年当たりの自殺率は、年齢層が上がるとともに低下しており、18〜34歳で141.95(SMR 10.19、95%CI 9.26-11.18)であったのに対して、65歳以上では24.01(同1.53、1.32-1.77)であった。男女別では、18〜34歳では男性153.80(同6.91、95%CI 6.18-7.70)、女性115.70(同21.61、17.85-25.94)、65歳以上では男性34.17(同1.14、0.91-1.40)、女性18.66(同4.05、3.27-4.97)であった。18〜34歳では、自殺未遂歴または自傷行為歴のある人(aHR 2.57、95%CI 1.82-3.63)と薬物使用者(同1.48、1.17-1.88)で自殺リスクが有意に上昇していた。

著者らは、「これらの結果は、統合失調症患者に対する自殺予防策を講じる際には、自殺未遂や自傷行為の既往歴や物質使用障害のある若年成人に焦点を当てる必要があることを示唆している」と結論付けている。(HealthDay News 2021年6月3日)

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参考文献
  1. Olfson M, et al. JAMA Psychiatry. Published online May 26, 2021. doi: 10.1001/jamapsychiatry.2021.0841
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