思春期の若者の自殺未遂疑いによる救急科の受診は2020年5月以降増加



提供元:AJ Advisers LLCヘルスデージャパン

思春期の若者の自殺未遂疑いによる救急科(ED)の受診件数は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックが発生した2020年春には減少したものの、同年5月初旬以降に上昇に転じ、特に若年女子で増加が著しかったことを、米疾病対策センター(CDC)のEllen Yardらが報告した。詳細は、「Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)」Early-Releaseに2021年6月11日掲載された1

Yardらは、National Syndromic Surveillance Program(NSSP)のデータを使用して、2019年1月1日から2021年5月15日までの12〜25歳の自殺未遂疑いおよび自殺目的ではない自傷行為によるものを併せた(以下「自殺未遂」)ED受診の動向を調べた。NSSPのデータは、ハワイを除く全米49州とコロンビア特別区におけるED受診データのおよそ71%をカバーしている。対象とした期間は「2020年春」(2020年3月29日〜4月25日、以下「春」)、「2020年夏」(2020年7月26日〜8月22日、以下「夏」)、「2021年冬」(2021年2月21日〜3月20日、以下「冬」)の3つで、それぞれ2019年の同時期と比較した。算出した指標は、それぞれの期間における、週単位の自殺未遂による受診件数、受診割合(総受診件数の中に占める自殺未遂受診件数の割合)、および受診割合比(各期間の受診割合が、対応する2019年の期間の受診割合の何倍となるか)で、年齢層別(12〜17歳、18〜25歳)、男女別に検討した。

まず、自殺未遂の受診件数を、2019年の対応する時期と比べたところ、「春」には12〜17歳でも18〜25歳でも減少していた(それぞれ-26.45%、-16.80%)。ところが、12〜17歳では5月初旬から増加し始め、「夏」では22.33%、「冬」では39.13%、それぞれ増加した。「冬」では、男子に比べて女子の増加が著しく、男子では3.71%の増加にとどまったのに対し、女子では50.55%増加していた。これに対して18〜25歳では、「春」に16.80%減少した後に上昇に転じたものの、「夏」は5.60%減少、「冬」も1.68%増加と、変化は小さかった。

次に、自殺未遂の受診割合比を見たところ、12〜17歳でも18〜25歳でも、3つの時期の全てで1を上回っていた。すなわち、12〜17歳の群では、「春」で2.36(95%CI :2.23-2.49)、「夏」で1.65(1.56-1.74)、「冬」で2.12(2.02-2.22)、18〜25歳の群では、「春」で1.58(1.50-1.67)、「夏」で1.12(1.06-1.17)、「冬」で1.26(1.20-1.33)であり、これら全てにおいて、総受診件数の中に占める自殺未遂の受診割合が増加していた。

著者らは、「自殺予防にはあらゆる方面からのアプローチが必要だ。社会基盤が安定さを欠くときにあっては、臨機応変に、さまざまな専門分野の相互連携を図りつつ、自殺リスクを招く種々の要因に対処できるような、エビデンスに基づく方策を講じるべきだ」と述べている。(HealthDay News 2021年6月15日)

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参考文献
  1. Yard E, et al. Morbidity and Mortality Weekly Report 2021 June 18;70(24):888-894.
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