ヨガが精神疾患患者の抑うつ症状軽減に有用か

精神疾患に伴う抑うつ症状は、ヨガにより軽減され得るとする研究結果が、「British Journal of Sports Medicine」2020年5月18日オンライン版1に報告された。

南オーストラリア大学(オーストラリア)のJacinta Brinsleyらは、身体活動による抑うつ症状の軽減策としてヨガが有効であるかを調べる研究を実施した。

Brinsley氏らは、MEDLINEやEMBASEなどのデータベースを用いて2019年5月14日までに発表された、ヨガ介入の効果を検討したランダム化比較試験を検索した。その際、ヨガ介入群は「DSM-3、4または5に則り精神疾患(抑うつ障害、不安障害、情動障害、心的外傷およびストレス因関連障害、精神病性障害、パニック障害、アルコール使用障害、物質使用障害)と診断された18歳以上の成人」、対照群は「標準的な治療を受けている、待機リストに入っている(waitlist control)者、または、健康やヨガに関する教育もしくは社会的支援などを受けている(attention control)者」としている研究を対象とした。ヨガの介入は、構成のうち身体的動作が50%以上含まれるものと定義された。諸条件を満たし抽出されたのは19件の臨床試験(対象者1,080例)で、うち6件は抑うつ症状のスコアの記載がなかったため除外し、13件の研究(対象者632例;ヨガ介入群333例、対照群299例)について変量効果メタ解析を行った。

その結果、ヨガ介入群では、対照群全体と比べて、抑うつ症状が軽減しており、ヨガの中等度の効果が認められた〔標準化平均差(SMD)=−0.41、95%信頼区間(CI)−0.65〜−0.17、P<0.001;異質性:I2=50%、Q=23.86、P=0.02〕。精神疾患別にサブグループ解析を行い、各疾患における抑うつ症状の軽減効果を検討したところ、最も大きな効果が認められたのは抑うつ障害(n=8、SMD=−0.40、95%CI −0.67〜−0.13、P<0.01)と統合失調症(n=2、同−0.90、−1.44〜−0.35、P<0.01)であった。一方、混合効果モデルを用いたメタ回帰分析により、ヨガセッションの頻度と抑うつ症状軽減との関連について検討したところ、1週間当たりのセッション頻度が高いほど症状の軽減効果が大きいことが示された(β=−0.44、P<0.001、95%CI −0.66〜−0.21)。

Brinsley氏は、「今回の分析から、ヨガを行うことによって、様々な精神疾患において生じる抑うつ症状に対し中程度の改善効果が認められることが分かった。抑うつ症状を抱える患者に効果的な身体活動をしてもらうための新たな、あるいは代替の方策方法になり得る」と結論付けている。(HealthDay News 2020年5月19日)

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参考文献
  1. Brinsley J, et al. British Journal of Sports Medicine. Published online May 18, 2020. doi: 10.1136/bjsports-2019-101242.
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